レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。
コロナ禍によって私たちの生活や働き方は一部見直しを強いられ、今後もこれがずっと続くであろうことを世界中の人々が受け入れざるを得ない状況となっています。
そんな中、数年前から新しいサービスとして始まった駅で利用できるシェアオフィスや、大手不動産会社が立ち上げた新サービスにも注目が集まっているようです。
当記事では、既存のバーチャルオフィスサービスと駅で利用できるシェアオフィスやテレキューブと呼ばれる新しいタイプのオフィスサービスの違いについて解説いたします。どちらを借りるべきか悩んでる人はぜひ目を目を通してみてください。
駅ナカのシェアオフィスは誰に向けたサービスなのか
一般的にシェアオフィスはバーチャルオフィスサービスに付随するものという認識をお持ちの方が多いかと思います。それは概ね正解ですが、駅ナカのシェアオフィスは法人登記や郵便サービスが利用できないため一般的なバーチャルオフィスを使いたい方の需要を満たすことはできません。
超大手企業とも言えるJR東日本が運営している駅ナカ×シェアオフィスサービス「STATION WORK」は、公式サイト上で「電車の待ち時間にひと仕事」「待ち合わせや休憩に」といったキャッチフレーズを用いて空いていればすぐに使えるシェアオフィスとしてアピールしています。
また、東京メトロ複数の駅や駅直結のビル等でサービス運営されている「CocoDesk」も同様に、外出先や移動先ですぐに仕事したい人向けのサービスであることを公式サイト上でアピールしています。
利用できるサービスはWi-Fi、電源、モニター、空調など最低限のもので、郵便物の保管や転送などのバーチャルオフィスでは一般的なオフィスサービスは利用できません。
いずれのサービスもサラリーマンだけでなく学生などもターゲットにしており、人の流れが多い主要駅などに15分250円といった料金形態でひとりでも気軽に利用できるような環境を整えています。
駅ナカのシェアオフィスサービスは、待ち時間にひと仕事や休憩したいといった目的を持つ人々に向けたサービスということですね。
バーチャルオフィスに求められているサービスは「住所」
一方、一般的なバーチャルオフィスサービスは「ビジネス用の住所を借りたい」というニーズが第一にあって、そこに郵便受取や転送サービス、電話の発着信や転送サービスなどのオプションが付随しています。
法人であれば拠点住所を利用して登記をしたり、個人では自宅住所を使うリスクを上手に回避しながら本業・副業問わずビジネスに活用されていたりと「ビジネス用の住所を借りられる」という利点があるから利用されているのがバーチャルオフィスであると言えるでしょう。
バーチャルオフィスの中にはシェアオフィスとして会員のみが利用できるシェアオフィススペースを完備しているところもあります。駅ナカで利用できるシェアオフィスとは同名でも形式が異なるためややこしいのですが、バーチャルオフィスサービスに付随しているタイプのシェアオフィスはやはり「借りられる住所ありき」で利用されるケースが大半で、駅ナカオフィスとは基本的な利用目的が異なるという認識で間違いはありません。
どちらが優れているという話ではない
ここまでお読みいただければご理解いただけたかと思いますが、バーチャルオフィスサービスと駅ナカのシェアオフィスは優劣を決めることができません。
たまに仕事用の小さなスペースを借りたいだけの人がバーチャルオフィスを利用すると無駄なコストとなるかもしれませんし、通販などで特商法に住所を記載しなければならない人が駅ナカのバーチャルオフィスで腰を据えてビジネスしようとしても無理があるかもしれません。
個々の利用目的に合うサービスを適切に選んでうまく使い分けることが重要です。
レンタルオフィス・バーチャルオフィスの運営責任者としては、同業だけどターゲットユーザーが異なるため(現状では)競合ではないと考えています。
駅ナカオフィスのコンセプトはとても興味深く、特にステーションワークは大手のJRだからこそできるスケール感やコロナによって変わった生活スタイルとマッチしたサービス内容など今後の展開から目が離せないサービスだと認識しています。
これらのサービスは、入れ替わりが激しいブースの消毒などコロナ以前には必要以上にかける必要がなかったコストやリスク管理をどうしていくかも注目ですね。
テレキューブというサービスの動向も要チェック
駅ナカのシェアオフィスなどブースタイプのスペースに興味がある方は、テレキューブサービス株式会社が提供する「テレキューブ」というブースの動向も併せてチェックすることを推奨します。
テレキューブは駅ナカシェアオフィスと同様のブースタイプのスペースですが、概要だけ見ると何が違うのかよくわからない部分もあるかと思います。
ステーションワークやCocoDeskとの違いは、設置予定スポットに空港のラウンジやロビー、飲食店、ショッピングセンター、銀行、図書館やイベント会場などが予定されている点です。
駅ナカシェアオフィスが今後同様の展開を予定しているならまた話は変わってきますが、現状では駅以外の場所に同じようなブースを設置展開していく予定のサービスが「テレキューブ」であると言えます。
テレキューブは各場所に設置するだけという特性上、駅ナカオフィスと同様にバーチャルオフィスでは一般的な法人登記や郵便などのサービスを利用することができません。ビジネス用の住所を借りたいというニーズが第一にある方は予めご了承の上サービスを使うようにしてください。
まとめ
今後は企業に雇われる形ではなく「ジョブ型雇用」と呼ばれる職に直接結びついた働き方が主流になるのではという声も上がってきています。
仮にそのような動きが社会の主流になれば、駅ナカのシェアオフィスやテレキューブのようなブースの需要は高まり、バーチャルオフィスのユーザーも増えていくと予想されます。
ダブルワークや副業が当たり前の時代となった時に困らないよう、駅ナカオフィスのようなサービスの動向はチェックしておいて損はありません。こういったブースの利用ではなくビジネス用の住所を借りたいけどわからないことがある、不安があるという方は気軽にご相談くださいね。
記事内で紹介したブース設置型のオフィスサービス
STATION WORK: https://www.stationwork.jp/
CocoDesk: https://www.fujixerox.co.jp/solution/menu/cocodesk
テレキューブ: https://telecube.jp/