レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。
レンタルオフィス・バーチャルオフィスには大きくわけて「オーナー直営である自社物件(ビル一棟、または物件の一室等)運営」と「転貸(わかりやすく言うと運営代理または又貸し)」の2タイプの運営方法が存在します。
一般的なバーチャルオフィスサービスは大抵「転貸」に分類されるため、弊社が運営しているMETSオフィスのような「自社ビル運営」のキーワードを目にしてもピンと来ないお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、この2つの違いとメリット・デメリットについて簡潔にご説明させていただきます。オフィスサービスを選ぶ際の知識として参考にしていただければ幸いです。
転貸バーチャルオフィスの特徴
「転貸」タイプのバーチャルオフィスは、運営会社が借りた物件まるごともしくは借りた物件の一部(フロアや一室)を使って運営されています。現存する殆どのオフィスサービスがこのタイプに当てはまります。
駅近の著名なビルで特定フロアのみがオフィスとして使える拠点などはわかりやすいですが、ビル一棟まるごと借りて運営している場合などは借り手側からは判別しづらいかもしれません。
わざわざ「当オフィスサービスは拠点住所として使えるビルのワンフロアを借りて運営しています!」と謳うメリットは何もないので、そんな説明をしているバーチャルオフィスは無いと思います。確認したい場合はオフィスサービス運営会社に直接聞くと良いでしょう。
なぜ多くの運営事業者はこの事実を公にしないのか
転貸形式で運営されている多くのレンタルオフィスやバーチャルオフィス事業者は、これらの点についておおっぴらに語ることは絶対にありません。理由は単純明快で、転貸形式で運営しているオフィスは、同等のサービスであってもオーナー直営オフィスに比べ絶対にコストが高くなるからです。
転貸オフィスにはデメリットだけではなくメリットも勿論あります。ただ、特に「格安」といった文言で集客している多くのオフィスは、個別に聞かれない限りはわざわざわかりやすい箇所に表記しなくてもいいだろうという考えで一致しているのは間違いありません。(サイトにその旨を強調して掲載しているサービスは私が知る限りでは1件もありません)
格安オフィスサービスでなくても構わないということであれば、転貸オフィスはむしろメリットのほうが大きくなる場合もあります。詳細は下記のメリットとデメリットをご確認ください。
転貸バーチャルオフィスのメリット・デメリット
よくデメリットとして挙げられるのは拠点の閉鎖リスクですが、それなりに運用歴が長く実績がある会社であれば心配するほどではないと思います。例えばオーナーが物件を売りに出せばその拠点は閉鎖せざるを得なくなる場合がありますが、頻繁に起こるような事例ではありません。
別の事例ですと複数拠点を運営している会社の場合、採算が合わずに一部拠点を閉鎖するとなれば該当住所を使っているユーザーは当然移転が必要となります。このような形で移転を強いられるのが嫌だという方は、転貸オフィスを使う場合は特にその住所地に気を配ったほうがいいかもしれません。人気住所であれば閉鎖リスクはかなり低くなると思います。
あとは単純に、借りた物件で運営している拠点の賃料はお客様が負担することになるのでこの点をデメリットと考えるお客様はいらっしゃると思います。借り手側はオフィスサービス料+拠点の賃料を払うということですね。持ち物件ではない飲食店の食事代に賃料が乗っているのと仕組みは同じですが、払わなくていいものは払いたくないと考えるのがお客様の本音だと思います。
メリットを挙げるとすれば、駅前一等地や著名ビルの住所地をそれなりのコストで借りられる点などでしょうか。コスト的に自社ビルでは運営しづらいような一等地や著名ビルの住所をオフィスサービスとして提供するためには転貸タイプでないと難しい面があります。
自社物件で運営されているバーチャルオフィスの例
「自社物件運営」タイプのバーチャルオフィスは、運営会社が所有している物件(ビル一棟またはフロア・一室)を使って運営されています。
割合を数値で出すのは非常に難しいのですが、一般的なオフィスサービスの殆どが「転貸」タイプであり、「自社物件運営」タイプが希少な存在なのは間違いありません。
自社物件運営のオフィスサービスはそれ自体がメリットであるため、公式サイト等にはほぼ確実に明記されているはずですので見つけやすいと思います。
自社物件で運営されているバーチャルオフィスの例としては弊社サービス「METSオフィス」や他社の「カスタマープラス(一部拠点)」などがあります。METSオフィスでは、全てのオフィスサービスは運営会社である弊社(オリンピア興業株式会社)が所有している一棟ビル内にて運営されています。
「自社物件」にも2タイプある
自社物件とひとことに言っても、ビル一棟そのものを所有しておりその中でオフィスを運営しているケースと、当該物件内のワンフロアまたは1室のみを所有していてそこでオフィスを運営しているケースの2種に大別されます。
借り手側から見れば、どちらかと言えばビル一棟を所有している運営事業者のほうが安心感はあると思います。だからといってマンションの一室だけ=全くダメというわけではありません。
例えば、安ければ建物の外観は気にしないという条件なら比較的古めなマンションの一室でも良いという方もいらっしゃるでしょう。借りる目的に応じて条件をよく比較し、自分に必要な機能や設備が揃ったオフィスサービスを選ぶことが重要です。
自社物件で運営されているバーチャルオフィスのメリット・デメリット
最大のメリットは「賃料分の上乗せ価格を含む必要がないため料金設定が安価になりがち」という点です。実際のところ全ての自社物件運営オフィスが安いわけではありませんが(様々な事情により高く設定している拠点あり)、賃料分を上乗せする必要がないという点においては「転貸」タイプが勝てる要素はないと思います。
自社物件運営のオフィスサービスであれば、拠点の閉鎖リスクも基本的にはほぼありません。確実にないとは言い切れませんが、自社物件で理念を持ってオフィスサービスを運営している会社であれば、少なくとも転貸タイプよりは安心して使うことができるのではないかと思います。
他のメリットとしては、「特定労働者派遣事業届出」等の許認可が受けづらい業種は自社物件での運営を謳っているオフィスであれば安心して行えるという事例もあります。許認可が必要なビジネスを行う場合はよく調べてからオフィスサービスを選びましょう。
まとめ
バーチャルオフィス(個室やスペースを貸すレンタルオフィス含む)は運営タイプによってサービス内容や料金体制が大きく変わる場合があります。
単に安く様々なオフィスサービスを使いたいのであれば自社物件運営タイプのほうが条件に合うものが見つかりやすいですし、多少値が張っても一等地ビルの住所地を使いたいのであれば転貸タイプのほうがいいかもしれません。
オフィスサービスの運営タイプはバーチャルオフィスやレンタルオフィスを選ぶ基準のひとつとして頭に入れておくと必ず役に立ちます。ぜひ参考にしてみてくださいね。