レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。
銀行口座の開設や事業資金の借入、レンタルオフィスやバーチャルオフィスの入居審査時には「事業概要書(企業概要書)」の提示を求められることがあります。
この事業概要書を「どんな形式で作れば良いのかわからない」という問い合わせが当オフィスの審査時に多く寄せられるため、当記事で具体的な作成手順について詳しく解説しておきます。
「事業概要書(企業概要書)」とは
「事業概要書(企業概要書)」とは、主に初めて取引を行う相手にビジネスの内容や商材等を伝えるための簡易的な資料です。公的機関へ提出する専用のフォーマットで作るもの、エクセルやワードで自作するものなどがあります。
特に相手から細かい指定がない限り、公的機関へ提出できるフォーマットでひとつ作っておけば様々な局面で使い回すことができます。
法人だけでなく、個人事業主であっても場合によっては提示を求められることがあるので、1枚だけでもしっかりしたものを作成しておくことをオススメします。
フォーマットを用意→編集
事業概要書のフォーマットは、公的機関が発行しているものを用意します。公的機関に出せるクオリティであれば一般企業向けにも提出しやすいというメリットがあるからです。(取引先からフォーマットの指定がある場合は除く)
使いやすいのは、日本政策金融公庫公式サイトの資料名「企業概要書」です。
⇒ https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
上記リンク先からフォーマットとなるエクセルファイルをダウンロードすればOK。
このファイルを編集し、最後にPDFとして出力すれば完成となります。
1.企業の沿革・経営者の略歴等
ここには企業の沿革、経営者の略歴などを記入します。
企業の沿革の項目には創立年月だけだと寂しいので、新サービスや商材のリリース時期などを記入しておくと良いでしょう。
経営者の略歴は、最終学歴から務めた企業、創業年月などを記入すればOK。
過去の事業経験、取得資格、実際経営者、許認可、知的財産権の項目は全てしっかり記入します。無いものは「特になし」にチェックでOKです。
2.従業員
ここには従業員数を記入します。法人の方は常勤役員も忘れずに。
ひとりで事業を営んでいる個人事業主の方は0人でOK。
最近雇用して3ヵ月以上継続雇用を予定している者も含んで記入することを忘れないでください。
3.関連企業
ここは「お申込人もしくは法人代表者または配偶者の方がご経営されている企業がある場合にご記入ください。」と注意書きがあるので、該当する方のみ記入すればOK。特になければ空欄のままで問題ありません。
4.お借入の状況
ここには事業用の借り入れ資金(法人の場合は代表者の借入額)があれば記入します。特になければ空欄のままでOKです。
5.取扱商品・サービス
ここには取扱商品とサービスについての詳細を記入します。
「取扱商品・サービスの内容」は、商材と売上のシェアを記入します。起業したばかりで売上のシェアが書けない場合は空欄で。
客単価は、提供するサービスが飲食・小売等の場合記入します。受注単価は、商材の値幅をざっくりと記入すればOK。サービス・業種問わず、売上の季節変動がある場合は該当する期間を記入しておきます。
「セールスポイント」「販売ターゲット・販売戦略」「競合・市場など企業を取り巻く状況」「悩みや苦労している点、欲しいアドバイス等」はよく見られるポイントなので、なるべく詳しく書くようにしましょう。ここは起業したてでも書ける項目なので疎かにしないようご注意ください。
5.取引先・取引関係等
ここには「販売先」「仕入先」「外注先」の詳細を記入します。既にビジネスがうまく回っている場合はそのまま書けばOKです。これからビジネスを行う段階である場合は、空欄または見込みという形で記入の二択になります。
なるべく取引先名、シェア率、回収・支払いの条件は埋めるようにしましょう。住所は詳細を書きたくなければ都道府県~市区町村で止めておいてもOK。
掛取引の割合は、基本的に0か100でOK。商品の引渡し時に代金支払いではなく決められた期日までに後日支払ってもらう場合は100%と記入します。
人件費の支払は、給料の支払日とボーナスの支給日を記入。個人事業主としてひとりでビジネスを行っている方は空欄でOKです。
すべての入力が終わったらPDFに変換
必要事項の入力が全て終わったら、PDF形式のファイルに出力して保管しておきましょう。
エクセルファイルのまま、編集可能な状態で提出しないようご注意ください。
まとめ
事業概要書は、特にオフィス入居審査時に提出を求められるケースが多いかと思います。
他にも何らかの形で提出を求められる場合があったりするので、公的機関に提出する予定が無かったとしても1枚しっかりとしたものを作成しておくことを推奨します。ビジネスを長く続けていけば、必ず役に立つ時が来るはずです。
※弊社が運営しているMETSオフィスの審査時にご提出いただく事業概要書は、当ページで紹介したフォーマットで作成したもので問題ありません。別の形式でも事業概要書として確認できるものであればOKです。
引用画像:日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html