バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設するための条件11選

METS運営責任者ブログ

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2003

レンタルオフィス「METSオフィス」運営責任者のオバタです。

起業後まもない時期なのか、バーチャルオフィスを借りる前なのかはわかりませんが、あなたは何らかのきっかけで「バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設するのは難しい」ということを知り、その打開策を探す中でこのページに辿り着いたのだと思います。

先に結論から言うと、「どんな事業でも」「どのような銀行でも」というわけにはいきませんが、いくつかの条件を揃えて審査に臨めばバーチャルオフィスでも銀行の法人口座を開設することが可能です。

当ページではその「バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設するための条件」について11の項目にまとめて解説していきますので、バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設できずに悩んでいる方、法人口座開設に不安を感じてバーチャルオフィスの利用をためらっている方はぜひ目を通してみてください。

はじめに

各条件はあくまでも「審査に通りやすくなると考えられる条件」であり、「条件を全て満たす=必ず審査に通る」というわけではありません。その点だけは予めご理解の上読み進めていただければと思います。

① 拠点住所に犯罪歴がないバーチャルオフィスを使う

銀行の法人口座開設審査に必要な書類には「本店所在地(ビジネス用の拠点住所)」を記載しなければならず、銀行はこの本店所在地について必ず調査を行います。

この調査時に「バーチャルオフィスの本店所在地」と「過去に犯罪歴がある住所」が一致してしまうと、他の条件の良し悪しに関係なく法人口座開設不可となる場合があります。(犯罪歴のある住所をブラックリストに登録している金融機関であればほぼ確実に審査落ちとなります)

バーチャルオフィスをビジネスの本店所在地として銀行の法人口座開設審査に臨む場合は、必ず事前にバーチャルオフィスの拠点住所に犯罪歴がないかどうかを確認し、クリーンな住所を使うようにしましょう。

仮に現在借りているバーチャルオフィスに犯罪歴が見つかってしまった場合は、オフィスを移転することを推奨いたします。

住所をネットで検索して調べる場合は、ブログやアフィリエイトサイトのような信頼性の低いものではなく総務省のWebサイトなど信頼性の高いソースを確認するようにしてください。

② 古くて狭い雑居ビル・アパート・マンションを本店所在地にしない

「本店所在地として使うバーチャルオフィス」の拠点住所にあるのが「古くて狭い雑居ビルの1フロアやアパート・マンションの1室」などであった場合、銀行はただそれだけの理由で法人口座開設不可とする可能性があるので注意が必要です。

特にアパートやマンションの1室を複数の会員に貸し出すようなバーチャルオフィスは、過去に詐欺などの犯罪に使われたタイプのバーチャルオフィスによく似ているため、銀行の法人口座開設審査には使うべきではありません。(銀行の担当者が怪しい、疑わしいと感じただけで審査落ちとなるリスクがあるためです)

「バーチャル」とは言ってもその拠点住所にある建物はビジネスの本店所在地としてお客様や取引先などの目に触れることになるため、最低限ビジネスのレベルに合ったものを選び備えておくことを推奨いたします。

③ 法人用の固定電話番号を用意する

大抵の銀行は「法人口座の開設には法人用の固定電話番号が必須」としているため、固定電話番号を用意しないとその条件で審査を受けられる銀行の中から法人口座を開設できるところを探すことになり、口座開設の難易度が大幅に上がってしまいます。

「現状ではビジネスに必要ないから」という理由で法人用の固定電話番号を用意しないバーチャルオフィス利用者は少なくありませんが、固定電話番号やその利用明細は銀行に対し「事業に実態があるか」を証明する材料になるため、バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設したいのであれば固定電話番号はビジネスに必要なコストだと割り切ったほうが話が早いです。

電話番号は、050などのIP電話よりは市外局番から始まるものを推奨します。東京都内のバーチャルオフィスサービスであれば、市外局番03からはじまる固定電話番号を格安で借りることができますのでご検討ください。

④ 法人用のWebサイトを用意する

「審査に必要な条件に無かったから」という理由で法人用のWebサイトを用意しないとそれが原因で銀行からの信用が得られず法人口座開設不可となる場合があるので注意が必要です。

特に昨今では個人でも無料で手軽にWebサイトを作れる時代になっているため、今どきWebサイトすら用意できないようだと銀行に対して「本気度に欠けるビジネス」「ネット上に公開できない事業内容なのか」等良くない印象を与えてしまいかねません。

Webサイトは「事業実態・事業実績・取引先」などを証明する材料として少なからず有用であるため、銀行の法人口座開設審査時には必ず担当者がいつでも閲覧できる状態にしておきましょう。

⑤ 特定の銀行にこだわらない

※「どうしても大手都市銀行に法人口座を持ちたい!」というようなこだわりを持っているバーチャルオフィス利用者の方はよく読んでください。

銀行は「本店所在地がバーチャルオフィスである」というだけで信用がないと判断し、必要書類の記載内容をよく確認せずに法人口座開設不可とする場合があります。(真っ当なビジネスを行なっており、審査に必要な書類などを十二分に提出し熱意を伝えたとしてもお断りされてしまうこともあるくらいです)

審査に落ちる理由は大抵が「信用不足」であるため、落ちた後すぐに何らかの条件を改善して再審査に挑んだとしても良い返事が来ることはほとんどありません。

大手都銀などのこだわり銀行があったとしても、地方銀行・ゆうちょ・信用金庫・信用組合・ネットバンクなどからOKを貰える銀行で法人口座を開設し、事業に実態がある証拠(例:取引先からの入金履歴、法人用電話番号の支払い明細など)を揃えてから希望銀行の審査に臨むようにしましょう。

一度審査に落ちた銀行でも、再審査時に事業実態がある真っ当なビジネスだと理解してもらえれば二度目以降で法人口座を開設できる場合がありますので諦める必要はありません。

⑥ 法人口座開設は本店所在地の最寄り銀行で!

銀行は「バーチャルオフィスの本店所在地」と「法人口座を開設しようとしている銀行の住所」が遠いというだけの理由で法人口座開設不可とする場合があるため、銀行はバーチャルオフィスの本店所在地の最寄り支店を選ぶようにしてください。

同じ住所エリアに銀行がひとつも無い場合であっても、最寄り銀行であれば問題ありません。

バーチャルオフィスの本店所在地と少し離れていても法人口座を開設してくれる銀行が全くないわけではありませんが、探すだけでも一苦労なので推奨はいたしません。

※ネットバンクの法人口座開設時には、この項目について気にする必要はありません。

⑦ 既に個人の銀行口座がある銀行に相談する

既に個人の口座を持っていて付き合いがある銀行の中には法人口座の開設に対しても親身になってくれるところがあるので、バーチャルオフィスの本店所在地の近隣エリア内で条件に合う銀行があれば相談してみることをお勧めします。

ただ、基本的には「個人口座がある支店」と「法人口座を開設しようとしている支店」が同じでないと意味がない場合が多いため、支店が別である場合はダメ元で相談してみるか、この項目に関しては無視してしまっても構いません。

⑧ コネクションがあれば利用する

銀行の中には、バーチャルオフィスというだけで紹介がないとまともに審査すらしてくれないところがあります。(表面的には審査だけはしている体裁を取られます)

そのようなバーチャルオフィスに対して特に厳しい銀行であっても、単に紹介してくれる人がいたというだけで審査に通ってしまったという実例があるため、使えるコネクションがあるなら利用させてもらいましょう。

コネの例には「銀行口座開設サポートが利用できるバーチャルオフィスを使う」「直接銀行に取り次いでくれる知人がいる」などがあります。

各条件を揃えた上で複数の銀行に口座開設を申し込んで全滅ということはそうそう無いため、コネは絶対に必須というわけではありません。

⑨ 半期~一期程度の事業実績をつくる

銀行側はバーチャルオフィスだと借りてすぐの時期というだけでNGとするケースが多く、最低でも半期~一期(6~12ヶ月)程度は登記住所で事業を行ってから口座開設申請を行うことを推奨します。

短期利用目的ですぐに拠点を変えようと思っている方(より良い条件があったらすぐに移転してしまう)、バーチャルオフィスを転々としてビジネスを行っている方は、登記住所で事業実績があるとは言えず信用が全くない状態です。

銀行によって程度の差はあれ、「事業実態があるか」を見ている点は同じです。バーチャルオフィスを使っての銀行法人口座審査で門前払いとなるケースが多いという方は、ひとつでも多く「登記住所に事業実態がある」という材料を増やしたほうが良いはずです。

⑩ 審査に必要な書類は完璧に揃える

銀行によって法人口座開設手続きに必要なものは異なります。できれば直接訪問して必要なものを確認することが望ましいです。(電話でも構いませんが、直接顔を見せて名前も名乗っておいたほうが熱意が伝わりやすいです)

銀行の種類に限らず、法人の確認書類は以下のようなものがあります。

  • 履歴事項全部証明書(原本、発行後3か月以内)
  • 印鑑証明書(原本、発行後3か月以内)
  • 代表者の写真付き身分証明書(運転免許証、住民票、パスポート、マイナンバーカード等)
  • 会社定款
  • 官公庁から発行された免許・許認可(必要な業種であれば)

上記の書類に加え、事業の実態・実績を証明できるものが必要になるケースが多いです。

  • 履歴書・職務経歴書
  • 会社概要
  • 事業計画書
  • 取引先に関する資料
  • 実質的支配者に関する資料
  • バーチャルオフィスとの契約書

履歴書・職務経歴書

「履歴書・職務経歴書」は、銀行口座を開設するビジネスと代表者の経歴がマッチしているかを見られます(実態がないビジネスでは名義貸しのようなことが行われるためです)。これまでの職務経歴と法人口座を開設するビジネスに関連性を持たせないと審査時にマイナス要因となります。

会社概要

「会社概要」は、Webサイトを印刷したもの、営業用プレゼン資料やパンフレットを印刷したもの、実際に販売している商品サンプルなどが使えます。何をやっている会社なのか、が目視ですぐにわかるものを提出します。

事業計画書

「事業計画書」は、ビジネスの成長について理解してもらうためのプレゼン資料です。根拠のあるソースや数値などを交えつつ、未来に向けてどのようなビジネスを行っていくのかがわかるようなものが望ましいです。

計画書の作成については、私が以前書いた以下の記事より参考資料を見てみてください。
→ スタートアップが投資家にプレゼンした資料を閲覧できる「Startup Pitch Decks」

取引先に関する資料

「取引先に関する資料」は、契約書や請求書、領収書など取引先との事業実態が確認できるものを持っていきましょう。PDFであれば印刷して持参すればOKです。

実質的支配者に関する資料

「実質的支配者に関する資料」は、役員に登記されていない会社の実質的な経営権を持つ人物(株式25%以上を保有している等)がいる場合に必要な資料になります。顔写真つきの身分証明書のコピーなど、求められたものを提出すればOKです。

補足:会社の資本金を1円にしない

資本金の額が審査に影響する可能性があるという情報を見たことがあるかと思いますが、厳密には資本金が1円だから絶対に審査落ちとなるわけではありません。

ただ、審査をするのはあくまでも人。資本金1円の会社にどのような印象を持つかも人それぞれで、まともな事業実態がないとみなす銀行の審査担当者のほうが多いかもしれないと考えておいたほうが無難です。

最低いくら~という基準についても、審査担当者目線で考えたほうが良いでしょう。100万円程度の資本金があれば、少なくとも事業用の見せ金はあるのだという印象は与えられるかと思います。

⑪ 銀行の担当者に事業実態と熱意をアピールする

身も蓋もない言い方となりますが、結局のところ審査は「人の裁量」で結果が決まるため、銀行の担当者に「こいつはダメだな」と思われたら終わりです。

法人口座の開設審査を申し込む際には、

  • キッチリ身なりを整える
  • 必要な書類は全て完璧に用意する
  • 事業の実態・実績を証明できる材料(営業資料や通帳、明細など)があれば持参する
  • 事業内容について細部まで十分に説明する

最低限この4つはキッチリこなすようにしましょう。

特に必要な書類については銀行によって異なる場合があるので、各銀行のWebサイトで確認するか事前に銀行に電話して直接確認し、絶対に不備がないようにしてください。

バーチャルオフィスで銀行の法人口座を100%開設する方法はない

「銀行がバーチャルオフィスの法人口座開設を断る2つの理由」にも書いたのですが、基本的に銀行はバーチャルオフィスの銀行法人口座開設に消極的です。

門前払いしない銀行であっても、提出書類に記載されている登記住所に直接出向いて目視や面談による確認を行うケースもあります。明らかに住所だけを借りていてそこで業務を行っていないと判断されてしまうような拠点(会議室やビジネス用のフリースペースがない)を使っての申請はやめておいたほうが良いでしょう。

全ての銀行に通じる裏技的な開設法やノウハウは現時点ではありませんが、絶対に満たしておいたほうが良い条件、提出すべき書類などは判明しています。あとは銀行の担当者と真摯に向き合い最善を尽くせるかどうかにかかっています。

審査で見られるのは事業に関する公的書類やWebサイト、事業概要書だけではありません。バーチャルオフィスだけど、この人なら問題ないだろうと思ってもらえるような押しの一手があるかどうか、これも重要です。

個室のレンタルオフィスに移るだけで解決できる場合も

バーチャルオフィスで銀行の法人口座開設ができない理由は、銀行側から見て「登記住所における事業実態がない、または不十分」だと判断されてしまうからです。

事業の規模にもよりますが、経費的に問題がないのであれば、個室のレンタルオフィスに移転することで銀行の口座開設におけるバーチャルオフィスのデメリットを殆ど消すことができます。

同じオフィスサービス提供事業者であれば登記住所を変更する必要もないので、バーチャルオフィスだからという理由で指定の銀行で法人口座を開設できないのが嫌だという方はぜひご検討ください。

バーチャルオフィスでもできなくはありませんが、現状では「選ばなければ」という一言がどうしても付いてきます。銀行を選んでの口座開設となると相当厳しいか、またはほぼ不可能である場合もあることは頭に入れておいてください。

まとめ

バーチャルオフィスで銀行の法人口座を開設するためには、とにかく「真っ当なビジネスで、事業の実態がしっかりある」ということを銀行に理解してもらう必要があります。

「これだけの条件を揃えたんだから大丈夫!」と言えるくらい準備をしても審査に落ちることはありますので、準備を整えたら特定の銀行に絞らず複数の銀行に審査を申し込んでみてください。

どうしても厳しい場合は、個室のレンタルオフィスへの移転もご検討ください。バーチャルオフィスで審査に通る銀行を探し続けるより時間を無駄にせずに済むはずです。

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